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国内製薬最大手・武田薬品工業が米バイオVBミレニアムファーマシューティカルを約8800億円で買収します。TOBで全株取得を目指し、プレミアムはTOB公表直前比で52.9%と高い水準となっています。 武田はミレニアム買収によりガン新薬開発力を強化、及びテーラーメード医療(患者個人の体質に適した新薬を開発する医療)の強化を狙い、武田得意の生活習慣病予防薬に並ぶ柱に据える戦略です。 近年、武田といえば1,7兆もの現預金を保持しながら、M&Aに使うでもなく、株主に大幅返還するまでもなく、使い道・資本効率の向上が課題となっていました。時には武田が銀行業でもやるのかと揶揄されたこともありました。豊富なキャッシュの使い道に困るのは優良企業に特有の悩みで、儲かるからこそキャッシュは積み上がり、株主還元を厚くしてもROE維持に苦慮していますね。キヤノンなどもそうですね。 内部留保として将来の投資に備えることは企業として当然の財務戦略なのだけれど、あまりのキャッシュリッチは敵対的買収リスクも高くなるし、ROE低下原因ともなり株主への還元圧力は高まります。 つまり、投資家・株主になぜ手元資金をおいておく必要があるのかを説明する責任があります。投資に使わないなら株主に返して、その株主が資金を必要としている企業に投資すれば経済学的にいえば合理的ということになります。 さて、武田はここ数ヶ月でアムジェン日本法人買収、TAP完全子会社、そしてミレニアム買収とM&Aを急加速し始めました。以前からM&Aは模索していたようですが、買収失敗(欧米企業に競り負けた)も相次いだりして、結果的にキャッシュを持て余していました。エーザイ、アステラスなど大手製薬会社にM&Aでは遅れる形になっていました。 しかも、主力薬の相次ぐ特許切れが迫り、有力新薬のはずだったTAK-475が開発中止に追い込まれ、新薬開発が急務となり時間をカネで買う必要に迫られました。 このM&A失敗と新薬開発急務の要請が武田を動かせたのは間違いないでしょう。 今のところ、市場の評価は株価を下げていることもあり、若干否定的でしょうか。 短期的には割高な買収で巨額な正のれん代償却負担が重しでしょうが、長期的にみれば、ミレニアムの新薬が順調に発売に持ち込めれば、投資回収は十分可能に思われます。 |
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